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2018.10.04

スカート自主企画「静かな夜がいい Vol.1」ライブレポートが公開!!

満員御礼〜!!先週末、9/29(土)に京都MUSEで開催したスカートpresents「静かな夜がいい Vol.1」が大盛況のうちに幕を閉じました!
記念すべき第1回は、何かと昔から交流の深いtofubeatsを迎えた2マンライブ!最高の夜になりました!
そのライブの模様を記した、ライター松永良平によるライブレポートが公開です!!

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スカートの新イベント〈静かな夜がいい〉第一回が、9月29日(土)に京都のライヴハウス、MUSEで開催された。記念すべき初回のゲストで招かれたのは、スカート澤部渡とは何かと縁の深いtofebeats。2人の縁については、西村ツチカがこのイベントのために提供したイラストをあしらったフライヤーの裏面に澤部自身が文章を綴っていたが、その始まりは、まだ「水星」がリリースされるずっと前のことだ。
 そして、じつは京都に先駆けておなじ顔合わせでのツーマンが、9月24日(月・祝)に東京下北沢のライヴハウス、BASEMENT BARでも行われており(こちらは〈CHOICE vol.12〉というシリーズ・イベントの一環としての開催)、いみじくも1週間の始まりと終わり、東と西の都でツーマンが行われる巡り合わせとなった。
 当日の京都は、台風24号接近中のニュースを受けての心配で、“静かな夜”というよりむしろざわついている状態だったようにも思えた。まだ雨風はそれほどでもなかったけれど、9月4日に関西一帯を襲った台風21号の強風と被害の記憶が、街の気分をキュッと引き締めていたようにも感じた。
 しかし、この日のチケットは早々にソールドアウト。MUSEのフロアーをぎっしりと両者のファンが埋め尽くした。
 幕が開き、まずはtofubeats。軽く挨拶程度のMCをしてからは約1時間ノンストップのセットに突入した。10/3に4作目のアルバム『RUN』をリリースするタイミングでもあり、「ふめつのこころ」など新曲を随所に交えながらの1時間は、DJ的に言うと“ロング・セット”だが、これまで以上に“ライヴ”であることを感じさせるものだった。それは、サード・アルバム『FANTASY CLUB』以降にぐっと明確化した“歌”の要素も丁寧に織り込まれていたという印象でもあるし、中盤での『RUN』からのインスト・トラックの流れにもビート・ミュージックに身を任せたダンス・モードを作り出すのではなく、もっと物語的に音をうねらせてゆく意図が見える。その流れの中で聴く「Don’t Stop The Music」や「水星」が、いつも以上にドラマチックに感じたのは本当だ。
 「水星」でセットをいったん終えて、ラストに演奏したのが2018年に生まれた新たなtofubeatsクラシック「RIVER」(映画『寝ても覚めても』主題歌)だったことも、よけいにその思いを強くさせるチョイスだった。


tofubeats

 ギターやピアノで自作曲を弾き語るミュージシャンを人は“シンガー・ソングライター”と解釈してしまうけれど、目の前にある機材が何であれ“シンガー・ソングライター”は生まれる。tofubeatsの前にも、たまたま電子機材という彼にとって最良の楽器があったんだと思います。


tofubeats

 不正確な引用だが、澤部渡がtofubeatsについてそういう意味のことを語った。それは、この夜、インターバルを経て登場したスカートのライヴ中のことだった。ふたりは旧知の仲だし、現代日本のポップ・ミュージックの担い手であるという大きな共通項がある。だが、何よりも“シンガー・ソングライター”としてのシンパシーがあるのだと、あらためてあの場で澤部が表明したことは、とても感慨が深かった。
 自分でMCをしておきながら澤部は照れ臭そうに笑ったけど、もしかしたらそれがこの〈静かな夜がいい〉というイベントが続いていくうえでの、ひとつの核になる気がする。
 ひとりで作り出す音楽でも、バンドで音を重ねてゆく音楽でもその原点にある“歌を作り出すひとりの人”としての“シンガー・ソングライター”を見つめ、探し出し、愛したい。そして、この夜のスカートのライヴも、そんな宣言を演奏で体現するようなライヴだった。
 「さよなら!さよなら!」、「視界良好」、「手の鳴る方へ急げ」と、アルバム『20/20』からの人気曲でスカートのライヴは幕を開けた。Contorversial Sparkや、のんシガレッツにも参加している岩崎なおみを新たなサポート・ベーシストに迎えてから数回めのライヴ。ボトムの安定感が増すと、5人のグルーヴもさらに多彩になり、澤部の曲の持つまるみや繊細な持ち味も生きてくる。10月31日にリリースされるメジャー・ファースト・シングル「遠い春」(映画『高崎グラフィティ』主題歌)や、そのカップリング曲「いるのにいない」で澤部はアコースティック・ギターを弾いた。もちろんこれまでも澤部のソロ・ライヴなどでアコギは何度も聴いてきたけど、バンド・サウンドの中で、かきむしるようにではなく柔らかいものをなでるような響きで聴くのは、ちょっと新鮮な体験だった。


Bass,Cho:岩崎なおみ


Key:佐藤優介


Drums:佐久間裕太


Perc:シマダボーイ

 本編ラストへの流れは、かつて澤部が自主企画として始めたイベントのタイトルでもあった「月光密造の夜」、そしてラストに今日この夜のイベント名である「静かな夜がいい」。今では同世代のミツメ、トリプルファイヤー、スカートでのスリーマン・イベントとして定着した〈月光密造の夜〉でのお互いの成長やワイワイ感も愛しているけど、〈静かな夜がいい〉から生まれていくであろう新しい出会いと新しい歌も楽しみでたまらない。そんな思いに耽りながらエンディングの澤部のギター・カッティングを聴いていた。


Gt,Vo:澤部渡

 台風迫る京都の夜、結局、最後まで誰も会場を去らなかったんじゃないだろうか。こんな日は、ひとりで過ごす“静かな夜がいい”はずなのにね。それでも音楽を通じて誰かに会わずにはいられない人たちが、客席にも舞台の上にも集まっていた。そしてもう、次の“静かな夜”に現れる誰かを待ちながら、スカートも僕らもそわそわとしている。

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ライター:松永良平、写真:つちもり

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